二世帯住宅 独立と共生とコミュニケーションによる間取り・プラン 静岡県カザマ建築設計 ■Kazama Design and Carpentry Office■ |
主たる施工エリア:三島市、沼津市、熱海市、裾野市、伊豆の国市、伊豆市、伊東市、清水町、函南町、その他地域も対応可能。 |
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工法・技術・提案>二世帯住宅 | Produced By カザマ建築設計のご案内はこちら |
二世帯住宅を考えるお客さまの声を実際に挙げてみますと、 「今現在同居していて、家が手狭になってきたから」 「子供が生まれたから。又は大きくなってきたから」 「実家の親を呼んで一緒に暮らしたい」 「親の介護も兼ねてめんどうをみてあげたい」 「新しく土地を購入するよりも、今の土地を有効活用したい」 などの理由が挙げられます。 それと同時に、 「実際に一緒に住んでみて、仲良く住めるか心配」 「個人(世帯)の最低限なプライバシーは確保したい」 などの心配面も挙げられます。 今、二世帯住宅をお考えになられている方々に、 まずスタイルを決定する手段として、 大きく分けて3つのスタイルに分けられます。 |
コンセプト | 親夫婦、子夫婦が「二世帯」として完結した生活単位を守りながら、 集まって住む一種の集合住宅。 |
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ハード面 | トイレ、浴室、台所、居間、食堂まで各世帯にあり、その利用形態は 専用的。 |
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ソフト面 | ハード面で世帯同士の独立性が高いゆえに、かえって世帯同士の つながりを生み出す努力も見られる。 |
分離型の場合、生活上の気兼ねが少ない分精神的な余裕が生まれ、何かしらを 共有することによって、より豊かな関係がつくり出せるのではないかと思います。 例えば、 敷地を共有する事によって確保できる中庭。独立した二世帯をつなぐ共有テラス・バルコニー。 分離型であっても最低限時間を共有することができる、親世帯に設けられたみんなで集まれる大きなテーブル。 視覚的にお互いの気配・雰囲気がさりげなく伝わってくる平面計画。 その一方で、 二世帯住宅が抱える問題として、その関係や状況が永続するとはいえない点があり、 そこでこの分離型の利点として提案できるのは、両世帯を完全に切り離して、 例えば将来的に片側を賃貸することも可能であります。 建築のライフサイクル自体が長くなってきている現在で、まったく違う用途への 思い切った変更の可能性も含めて、将来的な検討は欠かせないという事と、 どこかしらつながっているという安心感・親密感と、各世帯の気楽さ、プライバシーの重視を 総合的に考えたスタイルがこの『分離型』となります。 |
コンセプト | 親夫婦、子夫婦がそれぞれ、共有部分を持ちながらも「世帯」として の単位を守りつつ、一緒に住む。 |
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ハード面 | トイレ、浴室、が複数ある場合もあるが、その利用形態は共有的で あることが多い。居間、食堂、台所は各世帯ごとにある。 |
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ソフト面 | ハード面で共有部分があるがゆえに、世帯同士の独立性、 プライバシーを保とうとする努力も見られる。 |
部分共有型の場合、分離型に比べ経済的であり、親世帯の介護・ケアが後に必要になった時の 使いやすさがあります。お互いの独立性を確保した上で、どこまでを共有とし、何を専有とするか が生活上の大きなポイントであり、多くの二世帯住宅の典型であります。 そして、その「どこまで」を考えることが大切です。 例えば、 1階に親世帯、2階に子世帯と分け、1階の玄関と浴室・脱衣洗面室を共有とするが、 2階に子世帯専用の簡単なシャワールーム、洗面室、洗濯機置場を設置。(親世帯との生活時間帯の違いに有効) 各世帯を建物の上下階で分ける一方、中庭を共有することで互いに採光・通気・気配を取り入れることができる。 アプローチ・玄関・共有ホールを一つにまとめ、そこから棟に分ける計画も考えられる。 二世帯住宅の典型であるこの『部分共有型』は他のスタイルに比べむずかしく、 実際の各家族によって計画が異なってくるものと思います。その計画の解答に近づく為に、 各家族(各世帯)と我々建築士が本音で意見を検討する必要があります。 |
コンセプト | 二世帯住宅というよりは、一世帯「二世代住宅」。親夫婦、子夫婦が 一緒に住む「大家族タイプ」とも、個室郡と一つの共有空間からなる 「個室郡住宅」ともいえる。 |
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ハード面 | トイレ、浴室(シャワー室含む)が複数、台所のほかに簡易なミニキッ チンが個室に備わっている場合もあるが、居間、食堂は一ヵ所。 |
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ソフト面 | 世帯同士の独立性、プライバシーはそれほど確保されない。 あるいは、個人のプライバシーが世帯間のプライバシーに等しい。 |
融合型の場合、他ののスタイルに比べて、家族の関係がもっとも密接であり、 それはこのスタイルの優れた特徴であると同時に、個人あるいは世代間の独立性が保持しにくい ことが挙げられます。家族のコミュニケーションを最大に維持しつつ、独立性をどう確保するかが、 大きなテーマとなります。 例えば、 キッチン(台所)のスペースを十分にとり分担作業も兼ね、食をつくる作業を家族のコミュニティテーマとなるように演出する。 みんなで食べる(食堂)、みんなでくつろげる(居間)の空間を広くて魅力のある空間にする。 しかし、独立性をしっかりと確保するため個室(寝室)空間は世帯別に距離を置き、できれば外部から直接入れるルートも検討したい。 パブリックスペース(台所・食堂・居間)とプライベートスペース(寝室)は視覚的に中庭やテラスを介すことでさらに有効的。 そして、この『融合型』は部屋のフレキシビリティ(融通性)をさらにもたすことにより、 家族の変化、具体的には親世帯の老後や子世帯の子供の誕生を想定させることを計画しておけば 家族全体(各世帯)で大きく生活できるような家になります。 |
以上3つのスタイルから二世帯住宅を考えてみました。 しかしこれは3つの分類方法でしかなく、 各家族、各世帯に最も適している二世帯住宅を探す(=計画・設計する) ことから始めなくてははなりません。 そのための準備段階として、 「家族みんなで仲良く住もう!」ではなく、 「家族みんながどのような暮らしがしたいのか」 に重点を置いて各家族(各世帯)と我々建築士とが、 本音で計画・相談をすることが最も大事なことだと思います。 各家族(各世帯)の意見を互いに尊重しあい、思いやるということが 二世帯住宅の原点ではないでしょうか。 |
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